5億所得隠しーお布施

葬儀で僧侶から受取るお布施をめぐり、僧侶派遣会社や葬儀会社約10社が総額約5億円の所得隠しをしていたことが判った。お布施の約30%が紹介料やリベートとして業者へ還元され、一部が裏金となっている実態が明るみになった。指摘されたのは僧侶派遣会社「グランド・レリジオン」、葬儀会社「セクト」など約10社。グランド社の社長は「税務調査を受け、見解の相違はあったが、指導に従った。リベートは業界の慣習だが、最近は受け取らない葬儀会社も増えている」と説明。セクトの社長は「税務当局の指導に従った。お布施には不透明な部分かあるのは事実」と話している。6月6日の新聞記事より。


このバチ当たりめ、と感じるよりも、一般のお寺さんへのお布施であれば、バックマージンの実態が明らかになることはありえないことを思います。そういった意味からすれば、仏式葬儀を仲介する僧侶派遣会社がどんどん増えることが社会にとって好ましいことだと感じています。そして、僧侶派遣会社にとっては、何らかのバックマージンを葬儀会社に支払う必要が営業上、あるということが容易に想像できるところです。葬儀会社自体が、生花、印刷、料理、そのほかの葬儀関連の会社を設立しているのをみると、すでに僧侶派遣会社をも関連会社として設立しているところがあるのではないかと推測しております。それならバックマージンを支払う必要がありません。ともあれ、その状況を助長しているのは、ほかでもない葬儀を挙げる一般の喪主さんであるのも感じるところです。お布施とは施し、捨てる、貰っていただくという姿勢が重要なこと、その後の流れがどうあろうと支払う側にとっては一切関係のないことです。しかし、一部が税金として社会に還元されることは好ましいのではないでしょうか。僧侶派遣会社が増え、きちんと税金が納められること、御仏の心にかなうことでしょう。


宮本武蔵は62歳のとき、自らの死が迫ってきているのを自覚し、「独行道」という時世の文章を残しています。身に楽しみをたくませず。美食を楽まず。事にあいて後悔せむこと。自他共に恨みかこつ心なし。そして、神仏を尊み、神仏を頼まず。