緩和ケアについて考えた

昨日、日曜日の読売新聞の一面の裏に、闘病記だけをネットで販売する古書書店「パラメディカ」が紹介されていました。書店を営んでいるのは自身も2010年に大腸がんから肺に転移したという星野史雄さん(60歳)。書店を始めた動機は、1997年に当時44歳だった奥様を乳がんで亡くされたからだった。

パラメディカ
http://homepage3.nifty.com/paramedica/


ガンの体験記、そして治療法に関しての書物はいまさら読みたいとは思いませんが、リンクされている「全国ホスピス・緩和ケア協会」「日本ホスピス・在宅ケア研究会」に眼がとまりました。一般的にホスピスや緩和ケアに対してはひどい誤解があるという。

緩和ケアは死ぬ為の医療である。
末期がんのための医療である。
緩和ケアを受けるには積極的な治療はやめなければならない。

これらのことはまったくの誤解です。緩和ケアの目的はガンの精神的、肉体的な痛みを取り去ることで、再び、ガンと対峙する気持ちを取り戻すことです。少しでも苦痛を感じたときから緩和ケア科を受診し、ガンの治療と並行して緩和ケアの治療を行うべきです。と書かれてあります。


しかし、実際の緩和ケアでおこなわれているのは、この誤解の医療そのものなのです。きっと、どこの緩和ケア病棟も同じことでしょう。淀川キリスト病院や聖路加病院の緩和ケア病棟が特別なところなのです。一般の緩和ケアにガン患者が殺到しているのは間違いありません。予約しか受け付けない。自分の病院の患者しか受けいれないと制限をかけているところもあります。歩いて受診にくるガン患者本人よりも、末期的な状態で、家族が対応に困って緩和ケアを頼ってくるほうが優先的になるのは仕方がないことです。したがって、緩和ケアでは積極的な治療は止めてもらうと最初に念をおされます。緩和ケアが死のセレモニーをおこなうだけの場所であり、ガン難民を減らす砦にはまったくなっていないのです。ではどうしたらよいか、もうひとつの「日本ホスピス・在宅ケア研究会」は、市民、患者も含めて話し合い、学びあう場と書かれてあります。年会費が5000〜2000円。ぜひ、ガン患者の方々も会員となってガン患者の立場からの意見を述べていただきたいものだと考えます。


全国ホスピス・緩和ケア協会
http://www.hpcj.org/

日本ホスピス・在宅ケア研究会
http://www2.toshiseikatsu.net/hospice/