結核ワクチンはガンに効く

結核菌の発見者ロベルト・コッホ結核菌の治療薬としてツベルクリンを発表したのが1890年のこと、ところが、ツベルクリン療法の結果ははなはだ良くないものだった。発熱や喀血などの副作用が強く、かえって病状を悪化する場合もあった。ツベルクリン療法はたちまち信用を落とし、治療には不適当だという烙印が押された。現在では治療には使えないが、診断にはつかえるということになってツベルクリン反応として生き残っている。ツベルクリンは人間の結核菌の死菌を用いたが、こののち牛の結核菌を用いたBCGが開発された。毒性の弱い生菌を注射して免疫をつくるという方法である。だだし、あくまでも予防剤としての効果しかない。結核を治療するまでにはいたらない。


私はツベルクリンに強い関心を抱いていた。理論的にはどこにも非の打ちどころのないもののように思われたのである。問題はツベルクリンのなかに有害な成分が含まれているということである。しかし、問題はそう簡単ではない。毒もまたクスリになる。有害成分イコール有効成分かもしれないのである。ともかく、有害な成分を見つけ出してやろうと思った。


ツベルクリン反応としてあらわれる発赤の因子であるタンパク質やペプチドが有害であるらしい。その有害成分をとりのぞいてみた。残ったものは有効な成分か、これを動物実験のあと、皮膚結核の患者に使ってみた。驚くほどの効果があった。この結果、有害成分を除去した残りの成分中に存在する多糖体が結核感染動物の抗体を作るのに役立つことが判明したのである。こうして、多糖体プラス核酸を成分とするワクチンSSMを作り出したのだった。(丸山ワクチンーガンを追いつめる 47ページより)


丸山千里博士がガンに対する丸山ワクチンの効果を日本皮膚科学会雑誌に発表したのが1966年のこと。これは結核ワクチンにガンに対する効果があるということを最初に発表された論文ともなりました。すぐ後には、海外でBCGのガンに対する効果の研究発表が行なわれています。BCGについてネット検索してみたところ、1979年の肺ガン治療に有効との報告や、1994年の悪性黒色腫の患者の生存期間を延長し再発リスクを低減したとの報告、大腸ガン治療にも有益だという報告もあるようです。さらに、1999年、難病の多発性硬化症の症状を和らげるとの効果、その他にハンセン病予防効果や、パーキンソン病に対しての神経保護効果(ネズミによる実験)との報告もあるようです。人間に用いる前の動物実験において、丸山ワクチンをネズミのガンに用いた実験が失敗に終わったことは丸山博士も認めています。牛の結核菌を用いたBCG、そして人間の結核菌を用いた丸山ワクチン、BCGはガン治療薬として認められ、丸山ワクチンがそうでない現状の評価の差は動物実験の差によるものかもしれません。


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(そうなんや)