エビデンス=証拠のこと

咽頭部のガンの場合は喫煙との関係が深いと思われているだけに、喫煙に嫌悪をいだいている人が少なくないように感じます。私はというとかつては喫煙者でしたが、喫煙習慣が原因だとはまったく思っていません。タバコを吸わなくなったのは主に経済的な理由からです。将来に仕事が出来なくなれば、医療費と生活費、経済的に追い込まれることが予想されるので、今から始末できるところは始末しておかなければならないと考えたからです。


喫煙の習慣があるからいくらたってもガン患者が減っていかないのだというような意味の主張が医師からなされるのをみると、それは違うだろうと反発する気持ちが生まれます。医療の至らなさ、その理由を喫煙に転嫁しているだけだと感じます。ガンの発生率と喫煙率の相関はどうなっているのか・・・実際は喫煙率が低下傾向にあるにもかかわらず、肺ガンでの死亡率は上昇傾向にあることは明白です。


田宮二郎主演の「白い巨頭」は、肺がんの患者を中心に展開されるストーリー。これはフィクションでしょうが、登場する医師のほとんどがタバコを持ちながら台詞をいう場面が多いように感じます。この当時からタバコはガンの原因だと思われていたことから、ちょっと、皮肉が込められているのかもしれません。その当時と比べて現在のガンの治療法は進歩しているのでしょうか?感情的に物事を考えるひとは科学者に向いていないと、中部大学の武田教授は述べています。別の意味で、獣医師と同様に医師にとって必要な素質はどれだけ患者の身になって考えることができるかどうかです。科学的にガンを捉えるよりも(医学に関してはエビデンスにこだわるよりも)、直感的に、感情的にガンをとらえる医師に診てもらいたい。そのほうが長生き出来るように感じます。タバコを吸っているお年寄りを見ると、人生の意味を生存率で計ることの意味の無さを感じるようになりました。