がん放置療法のすすめ

近藤誠著「がん放置療法のすすめ」―2012年4月20日発刊を読みました。第1章は前立腺ガンで第2章に子宮頚ガンについてが書かれてあります。このガンも前立腺ガン同様に、「ガンもどき」が多いガンのようです。とくに頚部の上皮内ガンはほとんどが「もどき」だとあります。


アメリカでの報告で、上皮内ガンを放置・観察した研究があり、67人中、ゼロ期から1期まで進行したのが4名、浸潤した可能性のあるものの、断定できないケースが5名、そのままの状態のものが41名で、自然消滅したひとも17名いたという報告です。この報告には、少し問題があります。生検でガンと診断することは出来ますが、子宮切除のような手術をして組織検査をしなれば、ガンが上皮内にとどまっていると確定診断できないからです。そのため、術前に上皮内ガンと診断されたものの中には、実際には1期の病変が紛れ込んでいたはずです。つまりこの報告で進行したとされているものには最初から1期だった可能性があります。(本文より)


ガンは早期発見、そして早期治療が重要だと叫ばれていますが、実際に早期に発見され手術、放射線抗がん剤などによって、治療が行われれば、このような早期ガンは放置しておいてもしばらくは進行がみられない例が多いことより、治療を受ければ、同様に結果オーライの患者が多くなることが予想されます。その結果、どうなるかというと、治療成績がアップしたデータが残ることになります。新しく患者になった人は、近年はガンの治療技術が向上してきたような印象を持つことでしょう。ぜひ早期に治療を受けたいと思うことでしょう。さらに考えれば、私のように丸山ワクチンを受けている人のなかにも、丸山ワクチンのおかげでガンが進行しないと信じている人がでてくるかもしれません。少しずつ進行が感じられる私でさえも進行が遅いように感じるのは丸山ワクチンのせいだと強く信じているのです。でも、ほおっておいても同じことだったのかも知れません。(疑い深いのは将来の性格です)体を痛めつける抗がん剤などの治療を受けていれば、もっと早くあの世に行っていた可能性は大だとも考えます。それも、とっても辛い治療を受けた末にです。さらに想像を膨らませば、どんなインチキと思えるサプリメントであっても一定の割合で自然治癒のガン患者が発生する可能性があることを考えてしまいます。この「がん放置療法のすすめ」という本はとても参考になります。でも、ガンを放置するというのは、結局のところ、自己責任であることが感じさせられます。本を読むほどに歯切れの悪さを感じます。どうであれ、人間は何かに頼らなければ生きて行けません。今日も道端のゴミを放置せずに拾って、ひとつだけ徳を積み上げてみました。