アトピーが治るといえない化粧品

前回のブログで紹介したユーチューブのなかにあった1回が10万円の抗がん剤というのは、セツキシマブというモノクローナル抗体というもの。動物には体にインフルエンザのような異物が侵入すると、それを除去する仕組みが備わっています。異物は抗原とよばれ、それを除去してくれるタンパク質の分子を抗体と呼びます。抗体を医薬に利用する為にはニワトリの卵や組織培養の技術が使われているのだと思いますが、ある日本の獣医師がダチョウの卵で抗体を作ったらどうかと考えつきました。ダチョウの卵はニワトリの卵の30倍ほどの大きさです。ダチョウにインフルエンザワクチンを接種し、その卵の黄身のなかに含まれている抗体をとりだし、それをマスクに塗布した抗体マスクを作りだし、新聞などで話題になりました。そして、花粉症やニキビ、ついにはガンに対しても研究を進めているようです。この先の研究に注目されます。


その塚本康浩さん獣医学博士は、最初にダチョウの卵で開発し商品化したのがアトビー性の皮膚炎を改善させるクリームでした。免疫や遺伝が関係しており、はっきりとした原因は特定されていないようですが、原因はともあれ、アトピーの人の皮膚がアルカリ性に傾くことによって、皮膚炎を引き起こす黄色ブドウ球菌が異常に繁殖するのが認められています。その黄色ブドウ球菌による炎症がかゆみの原因となり、かいて皮膚を傷つけ、肌の状態がさらに悪化するのだという。この黄色ブドウ球菌の活動や毒素を抑えることで、アトピーの症状の大部分はやわらげることが出来るとのこと、そして黄色ブドウ球菌の働きを抑える抗体をダチョウの卵で作るのに成功しました。なぜ医薬品でなく化粧品かというと、医薬品の認可にはクリアすべき点が多すぎて、早く世に出せないからだそうです。ジールコスメティック社のアトプロテクトという薬効はない化粧品。


同じ獣医師でありながらと思うより、同じ獣医師が作りだしたことに誇りにすら感じます。しかも化粧品でとは・・・。しかも大阪にある同じ獣医大学出身者だとは・・・。なぜ今日の話題がアトビーなのかというと、上咽頭ガンの患者さんで、現在厳しい状況に置かれている相河ラズさんのご子息が現在アトピーで入院しているとの話をブログで知ったからです。まずは「ダチョウの卵で人類を救います」という本をお読みください。でも、このブログを見てくれているかな?