ガンになってからの食べ方-2

主食を控える「糖質制限食(低炭水化物食)」について、日本糖尿病学会は26日、「極端な糖質制限健康被害をもたらす危険がある」との見解を示した。 糖質制限食は、糖尿病の治療やダイエット目的で国内でも急速に広まっている。 同学会の門脇孝理事長(東大病院長)は読売新聞の取材に対し、「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」と指摘。「現在一部で広まっている糖質制限は、糖尿病や合併症の重症度によっては生命の危険さえあり、勧められない」と注意した。(読売新聞 7月27日(金) 配信)


人間は炭水化物、脂肪、タンパク質のどれかからエネルギーを得なければなりません。糖尿病患者を中心として、世間では最近、糖質制限食が広まっているようですが、これは健康被害に繋がる恐れがある。発ガンの危険性もあるというのが、医学界の大多数の意見のようです。この記事を読んで、はたしてそうなのだろうかという疑問が生じました。現在目標としている玄米菜食というのは高炭水化物食ではないのだろうかと? 新聞記事がでた翌日の7月28日の福田一典先生のブログには、高炭水化物食がガンを悪化させるという記事が載せられてありました。


人間の歴史をみると農耕が始まってからまだ1万年ほどしか経っていない。その前の数百万年の間は狩猟によって食物を得ていた。(イヌイットなどの)狩猟社会では、ガンが少ないという報告がある。・ガン細胞はグルコースに対する依存度が高い。高炭水化物食はガンの発生や進行を促進している可能性がある。低炭水化物食がガンの予防や治療に有効であるという報告は多い。・ガン細胞の特徴として、酸素がある状況でも嫌気性解糖系でエネルギーを産生している。ミトコンドリアの活動を妨げている。ミトコンドリアはガン細胞のアポトージスに関与している。ガン細胞におけるミトコンドリアの機能抑制は可逆的で、(有酸素運動などで)正常に戻すことが出来る。・てんかんの食事療法として確立されているケトン食は脳腫瘍などで実際に試みられ、有効性が報告されている。ケトン食でガンが縮小したという報告は数多く存在する。・グルコースインシュリンの分泌を高め、結果的にガン細胞の増殖を促進する。低炭水化物食でインスリンの分泌を少なくすればガンの進行が抑えられる。・炭水化物が消化されて糖に変化する早さを示すグリセミック指数があり、精白した穀物や砂糖などはグリセミック指数が高い食物です。このようなグリセミック指数が高い食品は糖尿病やガンのリスクを高めることが明らかになっている。・中鎖脂肪酸を多く含む脂肪を摂取しても体内に蓄積することは無く、長鎖脂肪酸でもドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸のようなオメガ3脂肪酸やオリーブ油などガン予防効果がある脂肪酸もある。・ガンはグルコース過剰が引き起こす病気であり、炭水化物の少ない食事はガンの発生予防や治療に効果があると言える。


ざっと要点を書き出してみました。ただし糖尿病や腎機能疾患が存在する場合には、ケトン食や低炭水化物食を実行することは危険を伴うことを認識しておく必要があります。食事療法を実行するには経験のある医師のもとで行なうことが大切だとも書かれています。福田院長の銀座東京クリニックへは2年ほど前に上京し1度診察を受けに行ったことがあります。その時はなぜか食事に関するアドバイスを聞かされていなかったのですが・・・



「漢方ガン治療」を考える