がんペプチドワクチン

NHKの「ただイマ」という情報番組で膵臓ガンに対するがんペプチドワクチンが紹介されていました。番組で紹介された患者さんは30歳代の主婦で、3年前の出産直後にすい臓がんが見つかり、幸い手術ですい臓ガンは取り去ることが出来たようですが、その後に肝臓へ転移、余命の宣告を受け切羽詰っているときに、ペプチドワクチンの治験が行われていることを知り、治験に申し込み、週に1回、ももの付け根に注射し続けたところ、一年後には肝臓に転移していた膵臓ガンが消えたというものです。現在は普通の暮らしに戻ることできたとのこと。難治といわれるすい臓がん、うれしさもひとしおでしょう。現在は治験の申し込みは募集していないとのこと、さらに、実用化は早くとも4年後になるとのこと。ガン患者さん達の生きる希望に繋がる研究だと司会者は話しますが、あと4年は患者にとってはずっと遠い先のことだと感じることでしょう。


つづいて番組ではシンガポールでの研究が紹介されます。海外から優秀な人材をスカウトして、国家主導でガンの免疫治療、ペプチドワクチンの開発に取り組んでいるようです。日本では資金が足りないので研究が思うように進んでいかないようです。国がもっと資金を提供して研究の後押しをすべきだと番組は主張します。番組を見ただれもが実用化される時期が早く来てほしいと感じたことでしょう。


ガン患者である私の考え。実用化されたとしてもだれが恩恵を受けることになるのだろうかと考えてしまいます。開発にかかる費用がかさめばかさんだ分だけ、それを負担するのは利益を得るガン患者になります。まずは保険外治療になるでしょう。そして、保険適応となったとしても今度は保険財政のほうがパンクするでしょう。だれもが楽で、効果があって、厳しい副作用のないガンワクチン治療を選択するだろうからです。タイタニック号からは子供や女性が優先して救命ボートに乗せられました。ガン治療の場合はどうなることでしょう。 お金に余裕がある人から優先的に助かるということにならなければよいのですが。