週刊ポストに丸山ワクチンの記事が

今でも丸山ワクチンの治療を受けている人が年間3万人にのぼるという。しかも長期にわたって延命している人も多いとのこと、BCGが膀胱ガンに効果が認められていることを考えあわせると、結核のワクチンにはガンに対する何らかの効果があるということは間違いないと感じさせられます。元東大教授の篠原一さんもガンが見つかった後、丸山ワクチンを35年間続けているという。その篠原さんのお知り合いの話が載っている。あるガン患者は、10年間ほど丸山ワクチンを続け、もう治ったと思って丸山ワクチンを止めたとたんにガンが再発して亡くなってしまったというもの。これでは、丸山ワクチンをずっと患者は打ち続けなくてはならない気持ちに陥ります。そして、明らかに根拠が薄いように感じます。


丸山ワクチンに期待しているのですが、認可されることは希望していません。なぜなら、丸山ワクチンはすべてのガンに効果があるとされているからです。しかも副作用がまったくない。つまり、すべてのガン患者、治療を受けている患者も含むすべてのガン患者が併用を希望すると思われるからです。健康保険財政は確実に破綻することでしょう。しかも、治療を受けることで余命が延びたりすれば、併用している抗がん剤の高額医療費の負担ものしかかることになるのです。一方、患者にとって経済的負担が軽くなるかといえば、そうではないように思えます。有償治験薬の価格はほぼ製造原価に近い設定とされているからです。アンサー20の薬価から類推するとこれは間違いないでしょう。認可されるのであれば、なんらかの手立てが必要だと感じます。そんな心配、無用でしょうか?


丸山ワクチンは痛みや食欲不振などガンによるつらい症状を消してくれるという記述にも不満を感じます。現在、丸山ワクチンを使っている患者が、それでも痛みや食欲不振を感じている患者は少なくないと思われるからです。おかげさまで、丸山ワクチンを続けるようになってから痛みが軽くなりましたという、患者サイドからの声があるからでしょうが、そう言いたくなる患者さんの気持ちは判らないでもありません。


最大の問題点は標準治療と併用すべきかということです。免疫治療である丸山ワクチンと免疫抑制作用のある抗がん剤、副腎皮質ホルモンとの同時併用は望ましくないと丸山千里博士は述べています。その理由は、それらの作用機序がお互いに矛盾しあうからだとも書いています。たとえば、中学校にあるクラスに、不良分子が転校してきた。健全な他の生徒をもどんどん自分の仲間にひき入れようとしている。この問題を解決するのに、不良分子を退学処分にしようというのが抗がん剤放射線治療である。しかし、良い生徒も巻き添えにさせられることも少なくない。こりに対して、健全な他の生徒たちに抵抗力を植えつけで不良分子の誘惑に染まらないようにつとめ、不良分子をおとなしくさせようというのがワクチン療法なのである。納得です。不良分子には更正を求めます。甘い考えですが・・・