なぜ丸山ワクチンは認可されなかったのか?

抗悪性腫瘍剤調査会は、昭和56年7月10日、「丸山ワクチンについて現在提出されている資料を見たところでは、これが患者の治療に有効である、つまり十分に延命効果があるという確証を得ることはできません」という内容の結論を公表しました。



調査会は東海地区のデータについて
4ヶ月目と10ヶ月目の生存率に、部分的に統計的な有意差が出ているが、全体的には、一つのパターンとしてみると差が認められないと結論づけた。また、東海地区の場合、封筒法違反のパーセンテージが非常に高いと判定した。ところが、この統計には違反例(14例)は除外されていた。。病状が悪くなっている患者(化学療法群の患者)に対して、診ている医師が丸山ワクチンを追加したこと、を非難されたようです。




調査会は、東海地区のデータについて
「大変よくデザインされた試験」であることを認めつつ、50%生存率は化学療法群と比べて、丸山ワクチン併用群は20日ほどしか延命しておらず、これはガンの常識からいうと大きな差ではないと主張、内科的にステージⅡが若干まじっているので、これをはずすと統計的有意差がなくなってしまい、延命効果の確証が得られていないと判定した。



丸山ワクチンは免疫療法。身体の免疫をつかさどる物質を利用してガンを退治する。免疫力を低下させる化学療法を併用するのであれば、効果は期待しづらいもの。にもかかわらず、上の表からは確かな延命効果が認められているように感じます。統計処理の専門家、医学界の大家によれば、効果ナシとの見方だったようです。ところで、今週号の週刊現代を買いました。ただ今、読書中です。