イレッサ裁判のニュースに感じたこと

昨日の新聞の第一面はイレッサ遺族・逆転敗訴のニュースでした。まったく、気分が悪くなるようなニュースです。肺ガンで死亡する人が年間6万人ほどで、厚生労働省の報告によると、そのうち今年9月現在までで、843人がイレッサ(ゲフィチニブ)副作用によって死亡した疑いがあるそうです。今回の裁判は、亡くなったガン患者の遺族が提訴していたもので、一審では患者側が勝利していたとのこと。


今回の判決も患者側勝訴になって、イレッサの認可が取り消される、もしくは、製薬会社が販売を取り止めると状況になれば、ガン患者にとって好ましいことなのかと考えてしまいます。実際、イレッサによってガンから生還した方も大勢おられるわけですから、販売停止となれば切実に困る患者さんも多いことでしょう。販売が継続するとしても、国や製薬会社が敗訴すれば、遺族に支払う賠償金が、そのまま、税金もしくは薬価に上乗せされるだけで、それは、ガン患者への負担が増すことを意味します。その賠償金のいく先は?とゲスの考えが・・・。


訴えられたのが、薬を認可した国と薬を販売した製薬会社。なぜ、イレッサを使っての治療を薦めた医者はなぜ訴えられなかったのだろうかという気持ちも生まれます。医師が訴えられていない以上、薬が認可されている状況では、有効な薬と医師が考えれば、この先も医師はガン患者に処方しつづけることでしょう。そして、一定の割合でガンから生還する人がいて、逆に間質性肺炎によって不幸な結末を迎える人も増え続けることでしょう。


ガンを抱えつつ、家計を支える為に仕事をこなして稼がなくてはならない立場にあるガン患者の私。イレッサの価格をいつもの購入先のカタログで調べてみたところ、なんと1錠 7650円。どちらが勝利しようが、関係の無い世界の話だった。所詮、私は抗がん剤を否定している立場です。