告知から3年と2ヶ月が過ぎようとしている

私の寿命はあと3年ほど。そんな強迫観念が常にある。強迫観念とは自分の意志では払いのけることのできない観念のこと。上咽頭ガンの患者さんの体験談が本になって出版されている。「西へ向かう」 という本。


著者の東田寿和さんは、急に眼がおかしく感じたことから病院に出かけた。ものが2重に見えたという。鼻や喉の異状から診断を受けたのではなかった。眼科、脳外科、そして耳鼻科にいきついて、上咽頭ガンと診断された。医師が薦めるままに放射線治療抗がん剤を合わせた治療を受けた。苦しい治療を乗り越え、幸いにも、ガンは縮小し完全に消えた。眼の症状も完全に消失した。しかし、1年過ぎたあと、定期検査において米粒大の再発が認められた。東田さんは、悩んだ末に今後は治療を行わないという選択をした。そして、その6年後にお亡くなりになっている。


生命よりももっと優先すべきことがある。人はそれをするために生まれてきた。死を前にして、遣り残したことがあると考えれば、それになる。東田さんは脱サラをしたときにガンの宣告を受けた。東田さんにとって家族を養うことが、生命を保つ以上に重要なことだったに違いない。自分の遺伝子を次世代に伝えること、子供を無事に育てること。いつか、だれもがもれなく死を迎えるときがくる。家族に迷惑をかけて再度治療を受けたとしても、この治療では、そのまま迷惑をかけたまま人生を終えることになると思ったに違いない。再度、治療を受けても必ずもとの生活が取り戻せるのであれば治療の価値はある。ともあれ、死がさけられないのなら、後悔の無い人生をおくりたいもの。 人生をより楽しく過ごしたいと考えるようになったのはこの本を読んだおかげ。さらにいえばガンを患ったおかげ。いつも東田さんのような豊かな人生をと考えている。


東田寿和さんと私の違い。丸山ワクチンを使用しているかいないか。私のほうが上咽頭ガンになったときの年齢が高いということ。神から授けられた私の使命のひとつは丸山ワクチンに効果があるかどうかを世間に示すことなのかも。そうであれば、私はもう少し長生きする・・・か?