やすらかにお眠りください

先日、安楽死の依頼を受けました。鼻の奥、鼻腔にガンを患っている猫でした。眉間から鼻梁にかけて固い腫れが認められます。目と目の間隔が大きく広がっているように見える、というより確かに広がっていました。額のあたりや目の周囲には浮腫が起きており、片目は開けれない状態です。口の中をみると上顎部にはガンが露出している状況です。


気がついたのは2ヶ月ほど前とのことです。膿のような鼻漏に気がついたあと、あっという間に鼻の部分が腫れだしたとのことです。それでも、つい2〜3日前までは食欲もあってそれなりに元気にしていたとのこと。内心はドキッとさせられるような話です。たった2ヶ月でこれほど大きくなるものだろうか、などと考えたりします。もっと早く見せてもらえてたら、でも治すことは出来ない、治療をしても痛みを長引かせることになるだけの状態だったかもしれません。しかし、丸山ワクチンを使ってみればなどと飼い主さんに提案していたところでしょう。 いまはそれを口に出して言う状況ではありません。きっちり、眠るがごとくに、安楽に、あの世に旅立つお手伝いをさせていただきました。 


私のガンと同じようなところにガンが発生した猫が目の前にいた。気がついてから2ヶ月ほどで顔貌が大きく変化している。私の将来もこんなふうになるのかと考えざるを得ません。ふと浮んだ考えは、神様のなさることには意味があるということ。早く治療を受けなさいということでしょうか? それは違うでしょう。すべてを受け入れなさい、といわれているような気がしました。


ちなみに、猫はまったくの肉食獣です。病気の際でも肉を食べさせることで元気を取り戻します。とりあえず、私の場合は玄米菜食を継続したいという気持ちになりました。