ガン患者、蟹は食べないという理由

ガンは英語でキャンサー、これには蟹という別の意味もある。これはガン患者にとっては常識的なことがらである。ガンは正常な組織の間へ蟹の足のように手を広げていく。だから、ハルステッド法という乳がんの手術ではガンの認められた範囲だけでなく、周辺の筋肉も含めて広範囲に切除する術式が一般的だった。食道ガン、胃ガンにおいてはいまだに広範囲に切除するのが一般的だ。


関根進著「ガンは宿命・癒しは運命」という本がある。関根進さんは、もと週刊ポストの編集長。60歳ぐらいで食道ガンを発症し、放射線治療抗がん剤の治療は受けたけれど、その後に医師から薦められていた手術を断わった。玄米菜食と天仙液という漢方薬によってガンから脱却されたひとだ。この本のなかに中国に旅行し、天仙液を作っている工場にでかけて、王振國医師に会いにいった時のことが書かれてある。会談のあと、最後に王医師は奇妙な言葉を残したとある。「ひとつだけいっておきますが、蟹は食べないでください。よくわからないのですが、蟹を食べてガンが再発した人がたくさんいますからね」 中華人民共和国式のブラックジョークだったのでしょうか?


ここ最近は2〜3年ほど、蟹を食べたことがなかった。しかし、今年の1月にズワイと毛がにを久しぶりに食べた。そして、その間にガンがすこし大きくなったのが認められた。 偶然だろうか、ちょっとした胸騒ぎが起きる。まったく根拠のないミステリーだが、これからは蟹を食べなければよいだけのこと。ついでに、海老も止めておこう。


ガンの進行が止まらないと思っているから、恐怖が起きる。蟹を食べたことが原因で一段高く天国に近づいただけであれば、これから食べなければ、このままの平衡状態が続くはず。などと単純思考で心の平安を得る。