ちょっと個人的な愚痴ですが

金がない。ローンが残っている。ガン治療には高額の費用が発生する。だから仕事も休みたくない。抗がん剤放射線の治療を断わったのは経済的な理由も含まれていること。働かなくては生活を維持できないなどと書けば変に誤解を受けるかもしれない。獣医師はみな大酒のみで、獣医科医院は儲かっているというのが世間一般の認識。だから、経済的に治療継続が困難?→60歳もすぎているのに→腕が悪いと評判の病院か→それで患者さんが少ない→内視鏡保有していないなんて・・・とだれしも考えると、本人が先に考えてしまう。儲かっていないのは私が相手しているのがペットの患者さんではないからだ。一般認識のうちの前者についてはセオリーどおり、異存をはさむ余地はない。


でも、標準治療を受けていれば、現在は診療活動に従事できている状態にはないだろうということは確信している。白血球数の低下から、動物から病気をうつされてすでに亡くなっているかもしれない。体力がないまま診療活動を行って、その結果、ミスを引き起こしているのだろうか、リタイア生活を続けているかもしれない。動物社会のことを常に考える。老人は守られる存在ではなく、みずから悟って消えてゆく存在であること。それが自然界のならわし。望まれて生まれてきた生命だが、自然のおきてには従って、静かに消えてゆかねばならない。


息子が選択した職業も親とおなじ獣医師だ。こちらは犬や猫を相手にする動物病院に勤務している。今のところ、親父がガンを患い、医師が薦める標準治療を断わったことをあまり理解していないようだ。なぜ、断わったのか、その理由に思い巡らすこともないようだ。新人獣医には学ぶべきことは多すぎる。これはとっても悲しい、寂しい気持ちになる。最近はペットの病気にもガンが多く見られる。犬であっても猫であっても、放射線治療の選択肢はなく、しかも寿命が人間の半分以下であるので、獣医師として満足な手当てをしたと自分を納得させるケースは少ないと想像するに難くない。しかも、その治療がかえって患者さんの生命を縮め、しかも、闘病の質を低下させていることを感じるようになるには、どれだけの症例を経験することになるのか、これは教えられて知るものではなく、経験によってみずから悟るもの。ちょっとおかしいと。親がガンを患ったことで、ガンの本質について考えてもらいたいと、この天から与えられたメッセージ性を感じ取ってほしい。共通する遺伝子を持っているのだから何時か、理解してくれることになるであろうが。


医学界の常識はときとして間違っている。ガン治療に関して・・・それ以外であっても、おかしいと感じること点がある。今までにも医学の常識が突然に180度覆ったことはたくさんある。