古典的免疫治療薬(ピシバニール)を併用したガン治験―(2)

抗がん剤(5−FU)と放射線による標準治療にピシバニールを加えたことで治癒成績が顕著にアップしたという報告。全生存率も高くなり、無病生存率も大幅な延長がみられた。


左表ー全生存率の差 右表ー無病生存率(再発・転移の抑制を示す)

次に、ピシバニール(OK-432)が抗腫瘍免疫活性を発現し、放射線抗がん剤の標準療法に併用することで有効を示したことの科学的な根拠が調べられた。末梢血液にピシバニールを作用させることによって、血液中のマクロファージに含まれるサイトカインの産生は増強された。Th−1型サイトカイン(IFN−γ、TNF−α、IL−12、IL−18)のみならず抗ガン免疫反応を抑制するTh−2型サイトカイン(インターロイキンー10、TGF−β)の産生も増強された。このことから、放射線+5-FUがピシバニールにより増強される・負の免疫・を抑制することが明らかになった。


CRー完全奏効  PRー部分奏効 SDー不変 PDー無効



次回、(3)へ続く。