紅炉上一点の雪

ガン患者の私が治療法を選択する上でのバックボーンは丸山ワクチンである。そして、標準治療を選択しないという上でのバックボーンは安保徹教授の免疫理論だ。白血球のうち顆粒球は交感神経に支配されており、ガンに対抗してくれるリンパ球は副交感神経に支配されている。副交感神経が優位にすることで抗がん力が高まる。だから緊張をしいる生活から脱却することは重要だ。そして、もうひとつ、確かにと思っていることがある。


絶食が続くと栄養が外から入ってこなくなるので、栄養素は自分のからだのなかで作らなくてはなりません。絶食状態ではマクロファージが自分の組織を食べ、自食作用によってエネルギー源を作り出すのです。軽い断食では、この自食作用を真っ先に受けるのはポリープやガン組織など、本来その人にとって必要ない部分だといいます。進化した顆粒球とリンパ球による生体防御の他にマクロファージの自食作用による免疫があるのです。


PET検査はガン組織がブドウ糖などのエネルギーを他の組織より早く取り込む仕組みを利用したもの。これから考えると、安保徹教授のこの説も正しいと思っている。そこで、玄米菜食をちょっと取り入れて10キロほどの減量に成功、現在BMIが24.1、ちょっと肥満状態までに改善されてきた。しかし、これから先がちょっと足踏み状態。おいしいものを食べたいという煩悩が最近は優位になっている。


燃えさかっている炉の上に一片の雪が舞い落ちる。それは溶けて、すぐに水になり、やがて気化して蒸発する。煩悩や妄想が心のなかに起こったとしても、原点を忘れなければ人は正しい道を選択することができる。



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