「胃ろう」に関する新聞記事

胃ろうに関する記事が最近目にした読売に載っていた。都内で飲食店を経営する女性(47歳)の母親(81歳)は、パーキンソン病認知症で寝たきりになった。だんだんに食べる力がなくなり、病院から胃ろうの設置を勧められた。それは10分ほどの簡単な手術だという。女性は「以前から、母は延命治療を嫌がっていた」と、はじめのうちは断わっていたが、「とりあえず体力がつくまで」と医師に言われて心ならずも同意した。退院時に外すよう求めると、「今、外したらお母さんを殺すということですよ」と一転、強い姿勢で拒否されたという。


延命治療は断わると書き残しておいても安心は出来ないようだ。獣医師という長年の仕事から性格が普通一般のかたと違っているのは判っていた。動物とはいえ、死の現場に立ち会うことが多いのだ。自らの未熟さで、寿命を早めてしまったと思うこともたびたびある。後悔はづっと抱えている。安楽死を選ぶのが妥当だと思うケースも数多く見てきた。末期患者に対する人医療は間違った方向に向かっているのではないかと。そして、獣医界も追随する傾向にあるようだ。安楽死の処置はやらないとはっきり言う動物病院もでてきた。死はむなしい。はかない。悲しいことだらけだ。そして、それをお金や儀式では置き換えることは出来ない。ただただ、真摯に目の前の状況を受け止めるしかない。



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