ガンを患う患者の立場は弱いもの

命を賭けて治療に臨んでいるということばについて考えてみた。死についてあまり考えない生活をおくっているのか、あるいは死を軽く考えているのかどっちかだとしか思えない。そして、花粉症や中耳炎など治る病気を抱えている人には、きっと頼もしく思われることばだろうとも感じるところ。

「患者は薬の名前まで持ち出すべきではない」
「治療法を選択する権利は医者にある」
「たとえ、薬について知っているからといって・・・私のプライドは傷ついた」


ぞくぞくと私にすれば琴線をはじかれるような感がする言葉が出てきた。ひとつひとつに丁寧に反論したが、はたしてガン患者の気持ちを理解してくれたかどうかわからない。これから経過観察のために違う耳鼻科を探す羽目になるのか、などと考えながら、「長くなっても待合室に大勢おられるようですから・・・」 と腰を上げかけたところで、「後の患者のことをあなたが考える必要はない。今、納得するまで話を続けましょう」 という言葉が返ってきた。目の前にいるガン患者をどうみているのかを話しだした。


「現在の状況から見たかぎり、良性の腫瘍にちがいない」 
「それは違うんですよ。PET検査も2度行なったし、生検の顕微鏡所見もありますし」
「それでなければ、2年すぎまで生存しているわけがない」
標準治療を拒んでいるガン患者がまだ元気にしているのがいけないのか?でもちょっとうれしい気持ちもある。でも2年ぐらいでは満足できない。そして、こう聞いてみた。
「先生の経験から、この部位にできた腫瘍のうち良性のものは何パーセントぐらいなのですか?」
私も診断が間違っているのではないかと思えた時期もあったことはブログにも書いたとおり。今はそうではないと確信している。この質問だけには答えてくれた。
「それは、たいていの場合は悪性のガンだった・・・けど」


もう一度だけ診察を受けに出かけたい。医師も言いすぎたと思っていると解釈したい。会話の内容を整理しての医師からのことばを聞いてみたい気になった。今度は丸山ワクチンに対してどういう考えているのかを尋ねてみたい。またきっと激怒するかもしれない。 なぜ患者がピシバニールでの治療を口にしたのか、それは現在の丸山ワクチンでの治療に患者が必ずしも満足していないという状況であることに考えついてほしかった。医師にとっては、おもいつきで丸山ワクチンを選択し、今度はきまぐれから同じ免疫治療薬のピシバニールを使ってほしいという、患者がたぶん良性のガン患者だと思っているから、さらに腹が立ったのではないだろうか。


生まれたときから、何でも好意に解釈する性格だった。


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