漢方治療を受けるには

怪我をしたときは外科にでかける。おなかの調子が悪い時は内科へ行く。ところが、漢方の治療を受けたいときは難しい。診療科目で漢方科とか東洋医学科と看板に表示することが認められていないからだ。漢方の治療を受けたい患者さんというのは西洋医学を試みて、満足な結果が得られなかった人が多い。とどのつまり、ガンの患者さんからの診察申し込みが多いとのこと。漢方医はガン医療に対する経験値が高いようです。この先、病状が進行して不都合が出来てきたときに受けたい漢方医は決めている。銀座内科診療所の九鬼伸夫院長は富山医科薬科大学を卒業した漢方系の医師。その経歴が極めてユニーク。朝日新聞の記者を10年ほど経た後に仕事を辞め、その後に医師を目指したという。「記者のち医者ときどき・・・患者」との著作を読んだ。さすが元ライター、読むものを引き込ませるテクニックが満載。こんな医者に診てもらいたいという気持ちにさせてくれた。


初めての臨床実習で指導教官の医師と病棟を回った際には、患者から立場を間違われて、その結果、指導教官がご立腹したような記述には、さもありなんと笑わしてくれる。何のために医師を目指すのか。医学はなんのためにあるのか。医師になりたてのときには技術をおぼえるのが精一杯で考えることに至らない。一旦、社会に出た経験が確たる信念に繋がっているように感じてくる。医学は誰のためにある。それは患者のため。では患者の願いはなんだ。とりあえず、健康を取り戻させてくれることだ。患者本位の医療は獣医療の世界でも取り入れられつつあるのだが、この場合は、患者を優先するのか飼い主を優先するのかが永遠のテーマです。