おまけの人生

テレビをつけるとアイススケートの大会が行なわれていました。浅田真央ちゃんが優勝しました。そこで、彼女の母親が若くしてつい最近に亡くなっていたことを思い出しました。だれの人生でも悪いことばかりが続くわけではない。ふりかえれば今までラッキーな人生を送ってきたから、今の状態は仕方がないことだと納得できました。思いやりのあるかあちゃんとめぐり合ったこと、誇れる息子を授かったこと、これ以外にもラッキーなことがつぎつぎに思い出されます。つらく感じるのはそんな家族を悲しませているのではと想像すること。


地球の歴史からみれば、人の一生は瞬きほどの出来事。100年ほど前までは平均余命が50、60歳。それ以降はおまけの人生。治療を断わる決心をしたときに頭に浮んだのは多くの先人の生きざま、年をとれば何事も精神力で克服しなければなりません。抗がん剤治療が、放射線での治療が、選択されるようになって半世紀も経ず、どれぼどの実績を積み重ねているか判りませんが、現在のガン治療が平均余命を伸ばすに役立っているとはとうてい思えません。


治療を受けることがガンと闘うことの代名詞にまでなっている。しかし、戦わないという選択肢もあるはず、あったはず。手術ができないといわれたガンだから諦めがついたようなもので、これでよかったのだと思う。でも最近になってガンと闘う気持ちになったのにはまだ気持ちの整理がついていない。