右から左へ受け流せなかったコメント

煙草と酒ののみすぎで、咽頭がんになるリスクは100倍だそうですね。
咽頭がんとわかった時点で、なぜすぐにやめなかったんですか?


先日に寄せられたコメントからです。なぜ、すぐに止めなかっんてすか? まったくの上から目線を感じるとともに、ブログの主への、ガン患者のすべての人への、思いやりのなさを感じます。それとも単なる興味本位の質問だったのでしょうか。思い返せば、私のガンに対する知識というのも、ガンを患う前までは同じようなものでした。


抗がん剤は、ガンに対して使われる薬で、しかも2、3種類の抗がん剤を組み合わせることによってさらに効果は増すというのが、ガンの宣告を受ける前の認識でした。だからこそ治療に使われている。治療を断わるという人の気持ちを理解できないというより、理解しようとしなかったように感じます。根拠となるエビデンスを確認するよりも、適応する疾患に書かれてあるところに合致すれば処方する。動物ですが、書かれてある副作用が起きれば投薬を止める。それで問題は収束する。そんなような認識でした。抗がん剤を使ってもすべてがよくなるとは限らない。ダメだったとしても仕方がない。他にとるべき道がない。


煙草と酒ののみすぎで、咽頭がんになるリスクは100倍。よく名医が使う表現ですが、こういう表現を見るたびに、科学者らしくもっと事実に基づいた表現であってほしいと感じます。タバコやお酒の飲み方も人それぞれですから、100倍になるという根拠も統計処理もあやしいものだと感じています。さらに、喫煙者の割合だけでも20%を切るといわれています。患者にとって、この比較はほとんど意味がありません。受け流せなかった理由は、咽頭がんとわかった時点で、なぜすぐに標準治療を始めなかったのですか? と書かれてあったように感じたからかもしれません。それなら、ごもっともなことです。