頭頸部癌におけるOK-432の治療効果

癌免疫療法剤OK-432は、いわゆる「非特異的免疫療法剤」の範疇に入り、「オールド BRM」とも呼称されるが、最近の自然免疫研究の発展に伴い、OK-432が樹状細胞の成熟化を含む自然免疫系の活性化を介して癌抗原特異的CTLを誘導する事が明らかになり、その特異的免疫療法への応用が再評価されつつある。一方、我々は頭頸部癌において、放射線，経口5-FU製剤(UFT，TS-1)とOK-432の同時併用療法が高い奏功率を示す事を報告した。しかし、Responder/Nonresponderの判別法等、OK-432の使用基準、使用方法は確立されておらず、そのため“使いづらい”薬剤となっているのもまた事実であろう。癌免疫療法剤の適応基準確立のため、その「個別化」のtargetは癌細胞のみならず宿主要因も重要である。本講演では、当科での頭頸部癌治療経験ならびに研究結果により得られた所見を以下の如く報告する。1. OK-432の治療効果(臨床統計学的研究)頭頸部癌の一次治療として放射線及びUFT/TS-1を使用した時、OK-432を併用する事で、治療効果、全生存率、無病生存率の向上が認められた。我々はOK-432を局所(腫瘍周囲或いは腫瘍内)または肩部皮内に投与している。局所投与と皮内投与を併用した場合と皮内投与のみで治療効果に有意差は認められなかった。局所投与のみと皮内投与のみで比較したところ、皮内投与のみで良好な治療効果が得られた。この結果は我々の予想に反するものであった。その理由についてもさらに検討を加えたい。2. OK-432の分子メカニズムと「個別的治療」への展開(1)全菌体であるOK-432は、TLR4及びTLR9シグナルを介して抗癌免疫を増強させるが、それ以外の経路も存在するようだ。さらに詳細な検討が必要である。(2)免疫細胞におけるアポトーシス関連分子の発現とOK-432の効果につき検討し、Bcl-2/Bax比とOK-432の効果との間に有意な相関関係がある事を明らかにした。(3)OK-432は、その活性の強さ及び非特異性のため、いわゆる“負の免疫”も増強させる。我々は、放射線および5-FUがこの“負の免疫”を抑制する事を明らかにした。癌抗原特異的免疫反応を惹起するために、癌抗原を用いたワクチン療法や樹状細胞療法が行なわれているが、これらの療法を成功に導くためには、まず自然免疫系を活性化させる優れたadjuvantが必要である。少なくとも活性の強さに関してはOK-432が一歩秀でていると考える。あとは使い方次第である。

徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔腫瘍制御学分野で試みられている治療法だそうです。OK-432とはピシバ二―ルのことです。これが上咽頭ガンの標準治療に加えられれば、ちょっと試してみたい気もあります。今日も2時に目が覚めました。鼻がつまって口で呼吸していたからです。おきてから鼻をかんだところ、少しずつ開通しました。ガンが大きくなったせいではなかったようですが、こんなことが続いたり、だんだん悪化するのであれば、痛みがまったく無くとも耐えられないようになるかも知れません。