人のガンに効く丸山ワクチン


子宮ガン患者の肝転移病巣である。赤色がガン細胞で、生き生きとしている。丸山ワクチンを使用していたが、この部分には大きな変化はない。


ところが、同じ患者の肝転移病巣の別の部分を見たところ、ごま粒状のリンパ球がガン細胞(濃赤色)をズタズタに壊していた。川のように見える部分は間質で、ガン封じ込めをしていた。










昭和53年ごろ、木本教授の教室に、肝転移ガンの病理標本が送られてきた。(木本哲夫教授―倉敷市にある川崎医科大学病理学) それは岡山市内の公立病院で死亡した子宮ガンの患者のものであった。これを見て木本教授は驚いた。これまでみてきた患者のガンとは違って、この女性のガン細胞の周囲にはリンパ球が数多く接着して、その部分のガン細胞が消失しつつあったのである。試験管内の実験ではリンパ球をガン細胞に接着させると、ガン細胞が融解していく作用があることは確認していた。しかし、実際のガン患者の組織検査でそんな所見に遭遇したことはなかった。ガン患者はたいてい強い抗がん剤を使っているために、病理標本としてここに送られてくるものは、ガン細胞も周囲の正常な細胞もすべて破壊されていたからである。

この患者は、抗がん剤のほかに、何か免疫賦活剤を使っていたに違いない。そう思った木本教授は患者のカルテを見せてもらった。その結果、患者は死亡までの1年間、丸山ワクチンを注射していたことが判ったのである。木本教授は、ここではじめて、丸山ワクチンに強い関心を抱いた。

まず、胃ガン、肺ガン、卵巣がんなどの細胞を培養して、丸山ワクチンを加えてみた。正常細胞にも同様のことを試みた。しかし、いずれの細胞にも何の変化も起こらなかった。つまり、丸山ワクチンには、直接、ガン細胞を殺す作用はないのだということである。同時に、正常な細胞に対しても、毒性はまったくないということであった。



これは、最初に丸山ワクチンを貰いに日本医科大学に出かけた際に手渡された小冊子「丸山ワンチンによるガンの治療について」のなかにある記述です。木本教授は、この結果から、丸山ワクチンの作用機序の研究を始められた。人間はなぜという疑いを持つことが重要だと感じさせられます。わたしは、なぜ、大勢の人が丸山ワクチンを試しているのか、試していたのか、という疑問を感じたりします。