再びホウ素中性子捕捉療法について

ちょうど1年ほど前に、ホウ素中性子捕捉療法というガン治療が治験の最終段階、フェーズ3の段階にあるというに記事を見て興味をもった。ホウ素の化合物を注射すると、体内のガン細胞が正常細胞よりも10倍高く取り込むとのこと。そこに中性子を当てるとホウ素を取り込んだ細胞だけが排除される。つまりペット検査を治療に応用したような仕組み、リスクが極めて少ない画期的なガン治療法だと感じた。この治療法の先頭にたって研究しているのが、大阪府立大学の切畑準教授のグループ。大阪府大には医学部はなく、あるのは獣医学部だけ。つまり、私がかつて学んだ大学の後輩にあたる先生が中心となって研究されている治療法であった。同窓のよしみで治験を受けたいとのメールを送ったところ、すぐさま返信のメールが帰ってきた。治験対象になれば治療に費用はかからないこと( 認可されたあとでは300万円ほどの治療費がかかる)、実際に治験を患者さんにおこなっている病院を紹介してくれた。早急に手配してくれたこと、ありがたい気持ちになった。


実際の治験を行なっているのは、歯科と耳鼻咽喉科と脳外科のある3つの病院。そのうちの一つ、病院の脳外科に治験対象になれるかどうか相談をしにいった。私のガンの部位は体表面から10センチほどの距離にある。中性子は体表面から内に入るにしたがって徐々に減衰し、10センチほどの体内では半分ほどの線量しかないという。治験対照にするには、ちょっとむずかしいとやんわり断わられた。


丸山ワクチンについては伏せていたので、ガンの宣告を受けて1年半もそのままにしておいた患者にうつったことだろう。たぶんガンは身体のあちこちに転移していると思われても不思議ではない。治験の対象としては不適切だと、これが断わられた大きな理由だと感じた。逆の立場であっても、おかしなガン患者だと思ってしまう。ガンだというのに元気なようだし。治験対象になっていたらこのブログのタイトルも変更しなければ・・・。断わられたことはよかったのか悪かったのかはまだ判らない。今後もこの治療法に注目していきたい。しかし、一つだけ大きな疑問がある。なぜ、なぜ乳がんが対象になっていないのかということ。体表面にごく近いところにある癌なのに。


昨日、歌手のシルヴィアさんが51歳で肺ガンに斃れるとのニュースが流れた。人生は常ならず。ご冥福をお祈りします。



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